スタッフブログ

ふなばし動物医療センター かつまペットクリニックのスタッフブログ

3.11に考えたこと

こんにちは、獣医師の小泉です。


桜が🌸咲き始め春らしくなってきましたね!
近所の桜は少し早くに開花して見頃です。

 

 

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先日、職場で3.11東日本大震災の黙祷アナウンスを耳にしました。
今月も小さな地震が何回かあり、防災意識が薄らいでることにハッとすることがありました。

 

東日本大震災で亡くなった犬は報告されてるだけでも2500頭以上、
猫は狂犬病鑑札登録がないため頭数は不明ですが多くの命が失われました。
またペットの失踪届が出されても、ほとんどが飼い主と再会できず行方不明になっています。
地震をきっかけに病気が発症した動物もいますし、分離不安になり、携帯のアラーム音で食欲がなくなったり、パニックになる動物もいます。

 

 

今回は獣医師として防災対策に関して書きます。

 

最近は、動物同行避難訓練を実施する自治体もあるようです。
緊急時はどうしてもやむを得ない場合があるかもしれませんが、家族の一員としてできる限りの防災対策はしてほしいと思います。
もちろん動物も不安を感じるのです。

 

 

飼い主さんは何ができるのでしょうか。
以前学んだ知識になりますが、少しでも防災意識の向上と参考になれば幸いです。
また飼ってる動物をすみやかにケージに入れたり、避難準備をすることは、自分の防災にもつながります。

❇︎ 飼い主が不在でも 身を守れる安全な場所(家具の固定や身を隠せる場所)がある。
❇︎ 飼い主が帰宅困難になった時の対処(水、食料、薬、近所や信頼できるひとの連絡)を考えておく。
❇︎ 避難時に必要なもの(3日分フード、ケージ、ハーネスや首輪&リード、動物の写真と特徴、安心できる家の匂いがついたものやおもちゃ、猫は猫砂を少し持っておくと良いそうです)がどこにあるか知っている。
❇︎ 室内の避難経路、避難場所までの経路と迂回路を想定する。
❇︎ 迷子札をつける、もしくはすぐつけられる。
❇︎ ケージやキャリーに嫌がらず入るのに慣れさせる(特に猫ちゃんは!)。
❇︎ 人を怖がらないようにしつけられている。

 

その他、病院でできることに
❇︎ マイクロチップ挿入 (動物の住民票)
❇︎ 犬の場合は狂犬病登録
❇︎ 予防接種、ノミ ダニなどの駆虫(避難先で病気の蔓延防止)
❇︎ 子犬の場合はパピークラスでクレートトレーニング(ケージに入るトレーニング)
❇︎ 爪切り(ケージに入れる時、緊急時に物にひっかけたり、引っ掻かれてケガしないよう)
❇︎ エリザベスカラー 処方(噛まれないように)
などがあります。

 

 

被災したら必ず避難所というわけではありませんし、避難所への同行が必要か可能かの冷静な判断も必要です。
車が無事なら車内の方が落ち着いて生活できる動物もいます。

大切な家族の一員である動物です、冷静でいることが難しい災害時に無用なトラブルが起こらないよう、社会の一員として飼い主様の備えや配慮が求められますね。