こんにちは、獣医師の藤井です。
5月に入り、蒸し暑い日も多くなってきましたね!
よく晴れた先日、BBQをしました。
おばあちゃん犬イブも仲間に入りたくて、周りをうろうろ。
暑いのに日陰に連れて行っても出てくるし、水をかけてもすぐにハアハアしてしまいます。
結局、涼しい家の中に収容されてしまいました。
ちょっと熱くなったくらいなら、すずしいところで水を飲ませて休ませれば回復します。
でもそれが長時間になってしまったり、強めの運動をしたあとなど、また下痢や吐き気も伴ってしまった場合はどうでしょう。
静かにしているまたは軽い運動では水分が失われるだけですが、強い運動や下痢嘔吐時では、水分とともに胃液、腸液の塩分(Na+,Cl-)やカリウム(K+)、重炭酸イオン(HCO3-)も不足します。
脱水時に水分のみを摂取しても腸から吸収されづらく、効率のよい水分の腸管からの吸収や尿細管での再吸収には、電解質(特にNa+)や糖が必要です。
水分の吸収に関与する輸送担体はSGLT(Na-糖共輸送担体)であり、Na+と糖(ブドウ糖。ショ糖だと吸収遅延)と水分を一緒に吸収して血液内へと移動させます。
つまり!
脱水時には水分だけではなく、水分に塩分や糖分が混ざっているドリンクを摂るほうが水分の吸収はよいということですね。
最近人気の経口補水液OS-1等は、スポーツドリンクに比べてナトリウムやカリウムといった電解質の量が多く、アミノ酸を含まず、かつ低カロリー(糖分を抑えてある)です。
スポーツドリンクに含まれるクエン酸やアミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン他)はTCAサイクルを回してATP(エネルギー)産生を促進し、エネルギーを効率的に改善するため、スポーツ後にいいわけです。
(管理栄養士.com より)
最近は種類が本当に豊富ですよね~
そういえば学生時代の記憶ですが、牛や馬のお産後は必ず味噌汁(味噌をといた水)を飲ませていました・・・。
さて、では犬猫にはどうでしょう?
よく
「ポカリだと糖分が多いので、薄めて飲ませていいですか?」
と聞かれることがあります。
糖分が薄まると同時に、摂りたいミネラルも薄まりますが、別にだめではないです。
動物が飲まなければ、人が飲んじゃえばいいですし。
目的に合わせて使われるのがお勧めですね。
こちらのロイヤルカナンさんの「電解質サポート」は、水分および電解質の補給が必要な犬と猫のために調整された経口電解質飲料です。
ナトリウムなどの電解質や、マルトデキストリンなどの犬猫に消化吸収されやすい糖を配合しています。
シニアのペットちゃんに、夏バテ対策におすすめです。
使い方や、うちのこ使って大丈夫?のような疑問は獣医師までお問い合わせください。