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ふなばし動物医療センター かつまペットクリニックのスタッフブログ

みんなで飲もうBCAA〜獣医師遠藤

お久しぶりです。獣医師の遠藤です。
晩秋の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。
 
 

 
今回は自分はもちろん、皆さんがおそらく毎日愛飲されているであろう BCAA についてわかりやすく説明したいと思います。
 
そもそもBCAAとは必須アミノ酸のうちでアミノ酸の炭素骨格が直鎖でなく、分岐している構造を有するバリン・ロイシン・イソロイシンのことですね。
BCAAは、タンパク合成促進作用と筋タンパク崩壊抑制効果(重要)があり、特にロイシンが中心的な役割を果たしています。
BCAA以外の多くのアミノ酸は主に肝臓で代謝されますが、BCAAは主に筋肉で代謝されます。
 
 
BCAAは、その摂取量に関わらず飲んだ30分後にピークを迎え、その後に減少に転じます。
故に運動の30分前と運動終了直後(BCAAが枯渇してしまうため)のタイミングで摂取をすればいいということは、言われなくても皆さんが知ってのとおりでした。
 
 

体内ではBCAAはエネルギーとしてタンパク質を分解して取り出されたり、タンパク質の材料として使用されたりと、筋肉の分解・合成に大きく関わっています。

前者のようにタンパク質(大きいもの)を分解してBCAAなどアミノ酸(小さいもの)を生み出す作用をカタボリック(異化)と呼びます。

逆にBCAAなどアミノ酸(小さいもの)からタンパク質(大きいもの)を作り出す作用をアナボリック(同化)と呼びます。体内ではカタボリックとアナボリックのどちらか一方が起こっているのではなく、両方がバランスを保ちながら健康を保っています。

 

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もちろんトレーニングによって筋肉、つまりタンパク質を作るには、アナボリックを促進すること重要に思われます。

しかしそればかり意識するのではなくカタボリックを抑制することも同じだけ大切です。

 

レーニング中にエネルギー源である糖が不足すると、筋肉はBCAAをエネルギーに変えて運動を行います。

しかしアミノ酸であるBCAAを直接エネルギー源にすることはできませんが、エネルギーが不足した筋肉ではまず、タンパク質を破壊することでBCAAを取り出します。さらにBCAAは筋肉に存在する酵素によって非必須アミノ酸であるアラニンに変換され肝臓に送られます。

 

肝臓に送られたアラニンは酵素の働きでピルビン酸に変換されます。このピルビン酸はブドウ糖を分解する過程で生じますが、糖新生ではこの分解反応を逆回しするようにしてピルビン酸からブドウ糖が合成され、血中に放出されます。

このようにアラニンは糖新生によってブドウ糖に変換されるため「糖原生アミノ酸」と呼ばれます。

 

 

筋トレはもちろん負荷をかけてのトレーニングはとても大切ですが、栄養の知識やその動態を知ることで更に筋肥大した体を手に入れることができるでしょう♡
また良質なタンパク質(BCAA含む)は肝機能の手助けにもなるので、肝機能に障害がでた場合にサプリメントを摂取することも重要になってきます。
 
 
 
本日は広背筋を中心に鍛える日なので以上で失礼致します。
各自、ご自身の満足いくトレーニングを頑張ってくださいね☆